Some Girls / The Rolling Stones

ローリング・ストーンズの「女たち」は彼らの長いキャリアにおいても異色な作品であるとともに、重要な位置づけを占める傑作でもあります。1978年の作品。既に音楽史に残る作品を何枚も世に送り出し、充実期を迎え、ポピュラーミュージックの頂点を極めていた時期。それでも、ストーンズは自身の音楽性をより磨き上げ、新しい道を模索せざるを得ないほど、周りの音楽に影響を受けていた時代でもありました。セックス・ピストルズによるパンクの台頭やマーヴィン・ゲイやスティーヴィー・ワンダーらによるネオソウル、ファンクやダンスミュージック。さまざまな音楽形態がヒットチャートを席巻し、音楽そのものが何か新しいものを探し求めていた時代です。

そんな中でリリースされた本作は、ダンスミュージックやファンク、ソウルの要素にも音楽性が及び、バンドとしての新境地を切り拓いた作品として受け入れられました。結果として、ロックミュージックの価値の再評価にも貢献し、ストーンズの新たな歴史を作り上げた一枚です。

ただ、作品はもちろん素晴らしいのですが、何よりインパクト大なのは、やはりジャケットのアートワークでしょう。手掛けたのはドイツのデザイナー、ピーター・コリストンという方らしいです。あまり聞かない名前ですが、さぞぶっ飛んだ感性の持ち主だったのか、とにかく強烈なビジュアルが印象的な作品です。CDではわからないですが、アナログレコードだと、その特徴が一目瞭然です。表は顔の部分がすべてくり抜かれており、中身に印刷されたストーンズのメンバーらの顔が合成される仕組み。アナログならではの作りですね。

実はストーンズのレコードで初めて買ったのがコレ。一度目にした時からとにかく買って部屋に飾りたい一心でレコードショップで購入した記憶があります。所謂ジャケ買いというやつですね。まだストーンズをそんなに聴き込んでいない頃でした。あ、ストーンズってこんななんだ、という印象だった気がします。

私は大学で美術部に属していた頃、原色をベースにしたコラージュ作品の創作にハマっていた時期があります。ロック色の強いアグレッシブな作品をいくつか作った記憶があります。部内でもなかなかウケがよかったのですが、何より難しかったのは、原色を使った場合の配色のバランス。見せたい情報を失うことなく、カラーリングでも存在感を示したい。そんな自己顕示欲剥き出しで創作していた気がしますが、作品を俯瞰して見ると、バランスが悪くまとまらない。結局満足のいくものはできなかったわけですが、このアートワークを目にしたとき、強い衝撃を受けたと同時に、妙に心地よいというか、納得した部分があったんですよね。そういうことか、という。

Some Girls

それ以降、こういったポップな作品作りは個人の創作活動ではやらなくなりました。諦めたとか、そういうことではないんです。気付きというか、自分として、デザイナーとして、何をすべきか、ちょっとだけ前進できたというか。

説明するのは難しいんですけどね。そういう意味で思い入れの深い作品ではあります。

01.miss you

02.when the ship comes down

03.just my imagination

04.some girls

05.lies

06.far away eyes

07.respectable

08.before they make me run

09.beast of burden

10.shattered

特にB面のbefore〜、beast〜の流れが大好きです。

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